CDをご購入いただき、誠にありがとうございます。

CD購入者特典として、2020年9月4日(金)にリリースイベント「one night “utopia”」を開催。
沙田瑞紀による全曲解説、金子厚武による公開インタビュー、The Departmentとの生演奏、『utopia』MV初公開など、盛りだくさんな内容でお届けしました!アーカイブ視聴期間も終了いたしました。
ご参加いただいたみなさまに心より感謝を申し上げます。

こちらのシークレットページでは全曲解説とインタビュー記事を公開!
miidaではおなじみのカメラマン・浜裕之による写真と共に、utopiaという作品やmiidaについて知っていただければと思います。
BIG LOVEは続く・・・・・ by miida 2020/9/6

 

『utopia』全曲解説(解説者:沙田瑞紀)

「grapefruit moon」

時系列的に言うと、一番最初にリリースしたのが「grapefruit moon」で、ZINEの日記によると、作ったのは2019年の7月5日です。ねごとが解散したのが7月20日なので、そのちょっと手前に書いた曲ですね。曲を作る人はみんなそうだと思うんですけど、曲を作った夜は眠れなかったりするんです。曲の続きを頭の中でずっと考えちゃったり、興奮が収まらなかったり、逆に不安になったり。自分の大事な人が眠れない夜に、この曲がそっと寄り添ってくれたらいいなっていう気持ちで作りました。

 

「Blue」 

「Blue」はねごと時代に作ってたんですけど、アレンジが最後まで仕上げられなくて、悔しい思いがあった曲で。なので、この曲を聴くと「ちょっとねごとっぽいかも」みたいに思っていただける方がたくさんいるのかなって。自分の中で、こういう4つ打ちで、アッパーで、ちょっとせつない要素も入ってて、サーッと駆け抜けて行くような楽曲はずっと好きなので、miidaでもやりたいなと思って仕上げました。

 

「wagon」 

「wagon」はsugawaraさんが初めてmiidaの楽曲として持ってきてくれた曲です。「sugawaraさん、こういうの好きだったよな」って感じの曲が聴けて、めちゃくちゃ嬉しかったのを覚えてます。sugawaraさんとは大学時代にバンドを組んでいて、その頃のsugawaraさんの曲も手数が多い、ポストロック感のある曲で、すごくいいなと思ってたので、ノスタルジックな気持ちになりつつ、アレンジを投げ返して完成させました。

 

「good morning」 

この曲を作ったときのことはすごく覚えてて、とにかくDr.Dreみたいな渋めのヒップホップビートをフィーチャーして作りたいってところからスタートした曲で……全然違う風になっていくんですけど(笑)。でも最初は、非常にシンプルで、空間がたくさんあって……間ってドキッとするじゃないですか? 「ドキッとしながらも、気持ちいい」くらいの温度感にできたらなと思って、この曲を作りました。渋めのビートに対して、メロディーはめちゃめちゃポップにして、そういうコントラストみたいなのを楽しめる一曲かなって。ちなみに、ねごとの佑ちゃんはこの曲が一番好きみたいです。

 

「Dejavu(2020)」 

『utopia』は5月くらいのリリースを目標にしてたんですけど、コロナが発生してしまったので、時期を見ていて、その間に作った曲が「Dejavu(2020)」です。もともとは5年くらい前に作って、バリバリねごとをやってた時期ですけど、「こういう曲はちょっとカラーじゃないかな」って、宙に浮いたままだったんです。でも、自分はこういうゆるくて、オルタナな感じの曲はそもそもすごく好きなので、いつかアレンジを新しくして、何かに収録したいとずっと考えていて、自粛の間にアレンジを進めて、レコーディングしました。

 

「utopia」

「utopia」は突然できた曲で、学生時代のことを歌ってはいるんですけど、もちろん自分にはこんな素敵なイベはなかったので(笑)、「こんな青春あったらいいな」って、かなり妄想ありきで書いた曲です。高校の頃は思ってることを全然言葉に出せなかったんですよね。自分の思ってることに確証が持てなくて、だから言えなかった。でも、大人になって、「ホントはああしたかったんだな」って気づいて、それを今だからこそ書ける言葉で、この曲で歌えたかなって思います。

公開インタビュー(インタビュアー:金子厚武)

 

金子 miidaの始まりからこれまでを振り返りながらいろいろ話せればと思っていて、そもそもはねごとの解散と前後して、miidaの構想がスタートしてたんですよね。素朴な疑問なんですけど、「またバンドをやる」っていう選択肢はなかったんですか?

瑞紀 またバンドは……ゼロっすね。私人に頼めないんですよ。「これをしてほしい」みたいなことはできるだけ言いたくなくて、そうなると、バンドはやれないですよね。「こう弾いて」みたいな、そういう立場でものを言うなんてめっそうもないって、つくづく思ってしまって。なので、自分一人ないしは、迷惑かけない程度にいろんな人に、何を返せるかはわからないけど、「一緒に面白いことやらない?」って、そのときどきでお声掛けできたらいいなって……まあ、バンドはちょっと疲れました。

金子 長いことやってきたからね。また改めて始めるんだったら、違うことをやろうっていう。

瑞紀 そうですね。だから、最初2人で始めて、sugawaraさんは1月で脱退しましたけど、そういうことは今後もあっていいかなって思ってます。

金子 sugawaraさんとはもともと一緒にバンドをやってたっていう繋がりがありつつ、「ライブを考えると、生ドラムがいてほしい」っていうのが大きかったわけですよね。その人が曲も作れる人だったから、結果的にユニットっぽい打ち出しでの始まりになったけど、やっぱり出発点は瑞紀さんであって、最初からソロユニットみたいなイメージではあったのかなって。

瑞紀 ねごとの楽曲はほぼほぼ私が作り込んでたんですけど、miidaではsugawaraさんもめちゃめちゃ曲を書いてくれて、「こういうこともできるんだ」って、びっくりしました。なので、ワンマンでやるというか、腹をくくって楽曲をどんどん作って行こうって気持ちもあったんですけど、思ってた以上にsugawaraさんがいい曲をたくさん書いてきてくれて、幸せな半年間でしたね。まだリリースしてないsugawaraさんの曲もあるので、今後詰めていけたらいいなって。

視聴者コメント sugawaraさん抜けた理由とか聞いても大丈夫ですか?

瑞紀 もちろん大丈夫です(笑)。sugawaraさんがやめた理由はすごく単純明快で、「時間がない」ってだけですね。

金子 sugawaraさんは普通に仕事もしてるし、miida以外もバンドを掛け持ちしてるんですよね。

瑞紀 そうなんです。なので、あるときリハに入ってもちょっと疲れてる感じで、「結構ヤバいんじゃないか?」って、一瞬よぎったときがあって、話を聞いたら、仕事が忙しくなって、でも全部のバンドを愛してるって話で。となると、miidaはまだ半年だし、無理しなくてもいいんじゃないかと思って、「抜けたいと思ったら抜けてもいいし、続けたいと思ったらもちろん続けてほしい。どっちにしろ、先のことを考えて決断してほしい」っていう話をして。擦り減ったらよくないと思うんですよ、自分も擦り減りタイプだったから。で、12月にSonyParkでライブをしたときにもう一度話をして、「抜けようと思う」って聞いて、「じゃあ、次のライブで終わりにしよう」って、1月18日に抜けたっていう流れです。

金子 「お前とはもう二度と口を聞きたくない!」って大ゲンカしたわけじゃないと(笑)。

瑞紀 自粛明けに一回会いました(笑)。sugawaraさんすごく素敵な眼鏡に新調してて、「どんな生活ですか?」って聞いたら、「結構楽しい」って言ってて、よかったなって。まあ、もう10年以上の付き合いなので、「これから先もよろしく」って話をしてます。

金子 事務所に所属しないで、フリーランスで、DIYで活動していることもねごと時代との大きな違いですが、ここまでやってみてどうですか?

瑞紀 今日の配信もそうですけど……私基本ドジッ子で(トラブルのため、配信開始予定時刻から15分遅れでスタート)。

金子 じゃあ、これまでいろんな失敗をしてきた?(笑)

瑞紀 申し訳ない失敗をたくさん繰り返してるので、曲で挽回するしかないと思うんですよ。最近はミュージシャンでもすごいよくできる人多いですけど、基本社会から離脱してるような人がやってる分野だったりもして……。

金子 そういう側面もある(笑)。でも実際活動を続けて、リリースまで漕ぎつけたわけで。しかも、ZINEを作ったり、SNSでファンの方と交流して、手伝ってくれるスタッフを募集したり、コミュニケーションを取りながらやれてるのは、DIYだからこそかなって。

瑞紀 そうですね。みんな優しいです。事務所に入ることって、大事ではあるなってつくづく思うんです。事務所に入れば、スケジュールとか全部決めてくれて、それにのっとってやればいいわけだから、曲は作りやすいなって、改めて思って。

金子 音楽だけに集中できる環境を用意してくれますよね。

瑞紀 なので、事務所やレーベルにいるのはすごく大事なことで、それによって飛躍的にいい音楽を作り出すことができるんだなっていうのはよくわかりました。でもその反面、自分でやることによって、全てに自分の血を通わすことができるっていうのは、めちゃくちゃいい状態だなって。丸ごとひっくるめて、愛のあるプロジェクトになってるなって思います。お金がもっと回るようになれば、スタッフもつけれるし、ちゃんと法人化するとか、そういうことも視野に入れられると思うので、この一年は手探りで、勉強尽くしでしたけど、やってみてよかったなってことが多かったです。

金子 「一人でも多くの人に届ける」みたいな目標がはっきりとあったら、事務所やレーベルに所属する意味はすごくあって、瑞紀さんにももちろんその気持ちはあると思うけど、今はそれ以上に「音楽を楽しみながら続けること」が第一になってるのかなって。

瑞紀 そうですね。事務所やレーベルに入ってると、「スタッフさんたちも幸せにしなきゃ」って気持ちが生まれて、そうなると楽曲にも影響するんですよね。潜在的にもそうだと思うし、直接的に「売れる曲とは何ぞや?」って、ミーティングで話したりもするし。そういうところから一回離脱したことによって、純粋に「曲ってどういうテンションから生まれるんだっけ?」って見直す作業を、今年一年はできたのかなって。

金子 別のインタビューでは「ライフワーク」という言葉も使ってましたよね。

瑞紀 「ライフワーク」っていう言葉は、実は大学の先生が言ってくれた言葉で。ねごとのライブがあって、試験が受けられなくて、「後日違う形で受けさせてほしい」って、西洋美術の先生に言ったら、「それはあなたがライフワークとしてやってることだと思うから、出席だけで大丈夫」って言ってくれて。

金子 いい先生!

瑞紀 でも、そのときは「ライフワークだから」ってどういうこと? って思って。まだそんなつもりでやってなくて、無我夢中に、「学校と音楽両立するぞ!」くらいだったときに、「音楽をライフワークって言っていいんだ」って、それは目から鱗な出来事で、その言葉にはホントに助けられました。

金子 「ライフワーク」っていう言葉の意味を体験していったような一年だったのかもしれないですね。

瑞紀 そうですね、まさに。あのときの先生の言葉をかみしめながら、一年過ごしました。

視聴者コメント ねごとと違って、自分が歌うための曲を作るのは、何か意識する部分あるんですか?

瑞紀 ねごとのときは、さっちゃんに歌ってもらうために作るっていうのが大前提なので、まったくマインドは違いますね。「自分が歌うため」っていうよりは、自分が歌える範囲内で、どれだけ面白い楽曲を作れるかにシフトしてる感じ。今までは、「幸子がこういう曲を歌ったらかっこいい」みたいなことを考えて作ることが多かったけど、今はどれだけリラックスして、音楽的にクスッとできるようなものが作れるか。すごく音楽的なものを作りたいっていうよりは、ちょっとスパイスが入ってるくらいのテンションで作りたくて、なので、考え方は大きく変わりましたね。

金子 改めて、「自分で歌う」っていう決断をしたのは大きいですよね。

瑞紀 私が歌うとは誰も思ってないから、miidaを始めたと聞いて、大体の人が「瑞紀がインストバンドを始めた」って思ったでしょうね(笑)。

金子 でも、ボーカルすごくいいなって。もちろん、長年歌ってるボーカリストと技術的な面を比べることはできないけど、自分の曲を自分で歌うっていうことだけでも全然違うし、ちゃんと曲調に合わせた歌い方をしてるなって。

瑞紀 ボーカルディレクションはオカモトコウキさんがしてくれて(笑)。「こうしなさい」とは言われないけど、安心感がありました。

視聴者コメント 「holy night」のときと歌い方がだいぶ変わった印象ですが、歌のトレーニングはされてますか?

瑞紀 「holy night」っていうねごとの曲があって、Dメロみたいなところでちょっと歌ってるんですけど、そのときとは……どう考えても歌い方違いますね(笑)。ねごとの解散が決まったときから、ボイトレに行き始めたんです。最少人数で音楽をやるなら、自分で歌うしかないじゃんって気づいて、一瞬「ヤバッ!」って怯んだけど、もうやってみるしかないなと。すごくいい先生にも出会えて。今はコロナで通えてないんですけど、引き続き歌はよくなっていくはずだっていう気持ちでいます。

金子 自分で歌う上で参考にした人とかっているんですか?

瑞紀 あの人の歌がすごい好きで……めっちゃ高い人……MISIAさん! 小学生のときに車で聴いた覚えがあって、聴き返したらすごくよくて。

金子 ちょっと意外だけど、miidaはR&Bとかソウルっぽいムードもあるから、原体験としてMISIAさんが大きいのかもしれないですね。

瑞紀 かもしれないです。MISIAさんの曲は練習しました。

金子 じゃあ、そのうちめちゃめちゃ歌い上げるようになってるかも(笑)。

瑞紀 恥ずかしいので、歌い上げない方向に行きたいと思ってます(笑)。

視聴者コメント ねごとで過ごした時間は瑞紀さんにとってどんな時間で、それをmiidaの活動にどう生かしていきたいとかありますか?

瑞紀 すべてが活きてますね。活動の一つひとつで、「ねごとのときはどうだったっけ?」って、絶対振り返りますし。

金子 ねごととの比較みたいな話で言うと、もちろんmiidaとねごとは全然別ものなんだけど、「utopia」を聴いて、音楽に包まれるユートピアのような感覚、ちょっと寂しさもあるんだけど、でも優しくて暖かいみたいな、その感覚はねごと時代からあったものだなと思って。ただ、ねごとは幸子さんがフロントマンで、歌詞もメインで書いてたから、そのユートピア的な感覚って、幸子さんの世界観のようなイメージもあって。でも、今回「utopia」を聴いて、あのユートピア感はメインのソングライターである瑞紀さんの世界観でもあったんだよなって、改めて確認できた気がして、そこにグッと来ました。

瑞紀 それは初めて言われました……ねごとでやってきたことは絶対消えないというか、自分がねごとで鳴らしてきた音とか、考えてきたことは今も絶対地続きですし、それを否定するつもりは全くないので、そう感じてもらえたことは嬉しいです。miidaの曲を聴いて、「この曲はねごとっぽくて好き」って言ってもらえるのも嬉しいですし。もちろん、殻を破りたい気持ちもあるけど、人生ってブラッシュアップしていくだけなので。

金子 もちろん、バンドじゃないし、自分で歌ってるってだけでも違うし、サウンドも全然別ものだけど、それでも同じ人間がやってるわけだしね。ちなみに、さっきからカンペを出してくれてる人の顔に見覚えがあるんですけど……。

瑞紀 こっちおいで!

(ねごとBASS藤咲佑が登場)

佑 こんばんはー。カンペを出してました。miidaのお手伝いはずっとさせてもらってて、miidaハウスにこの夏何度行ったことか(笑)。

瑞紀 そうなんです。その節はホントに……。

佑 楽しい思い出です。ねごとが終わってから、ファンのみんながいてくれたことはありがたかったなって改めて思って。普通に働いてて、朝に音楽聴くと応援ソングみたいで、「よし、今日も頑張る!」みたいになるから、自分たちの曲もそういう聴き方をしてもらってたのかなって思うと、感謝でいっぱいです。

瑞紀 佑ありがとう! miidaを応援することは、佑ちゃんを応援することにもなるかもしれません(笑)。

金子 最後に、miidaのこれからについてはどんな風に考えていますか?

瑞紀 ミニアルバムが完成したので、次はフルアルバムに向けて動き出したいっていうのもあるんですけど、最近はThe Departmentと一緒に、3人で曲作りをしていて、すごく面白い曲ができてきていて。もしかしたら、それが先に聴けるかもしれないです。

金子 コラボとかフィーチャリングは積極的にやっていく予定ですか?

瑞紀 やりたいですね。可能性は無限大だと思っているので、頑張ります。お楽しみに!

good morning Remix Ver. 生演奏(ゲスト:The Department)

 

 

 

 

 

 

 

出演:The Department
インタビュー:金子厚武
撮影:浜裕之
アシスタント:久保りかこ・藤崎佑・浜早弥・オカモトコウキ

Thank you for all!